第9回 蛾(ガ)が教えてくれる、『怒りをコントロールする方法』とは?【後編】
【 この物語の概要 】
昆虫は動物の75%を占めている、地球上でもっとも繁栄している生き物です。
昆虫はどのようにして、それだけの繁栄をしたのでしょう?
昆虫繁栄の仕組みを、『人間の生き方にどう活かすか?』を、
おもしろ楽しく紹介しています。
この物語は、“会議のコンサルティング”を仕事にしている齊藤が、
ある日、ふらりと立ち寄った昆虫館でのお話です。
昆虫館の館長は、蟻田さんという巨大なサムライアリです。
【 本編はここからです 】
蟻田 「それは、『蛾の超音波が聞こえたら、すぐに墜落する』でござる」
齊藤 「それだけですか?」
蟻田 「それだけでござる」
「急に墜落をされると、コウモリは蛾を見失うのでござる」
齊藤 「コウモリは、結構複雑な手順で攻撃をしてくるのに、
蛾はとてもシンプルな回避方法なんですね」
蟻田 「コウモリを含め、お主らほ乳類は何でもかんでも複雑過ぎるのでござる」
「話を最初に戻すが、『怒り』という感情も、
大抵は、人間の複雑過ぎる対応なのでござる」
齊藤 「意味が全然わかりませんが・・・」
蟻田 「人が『怒る』理由は、『失望』があったからでござろう?」
齊藤 「あー、何となく意味がわかりました」
「たまたま今日、JR中央線が遅れたんですよ」
「で、隣に立ってたおじさんが『何で中央線はよく遅れるんだ!』と、
怒ってました」
「それって、『中央線は時間通りに来る』という期待が
裏切られたから怒っているんですよね」
蟻田 「さよう!」
齊藤 「インドに行った事がある友人が言っていたのですが、
『インドの電車は、1時間くらい遅れるのが普通』と、言ってました」
「『電車は1時間遅れる』と思っていれば、時刻通りこなくても
怒らないでいられますよね」
蟻田 「さよう。 お主は拙者に対し、財布から金を拝借した事を怒った」
「これは、『蟻田さんは人のお金を抜き取らない』という、お主の期待が
裏切られたから怒りの感情がわいたのでござる」
齊藤 「なるほどですねー」
「人に怒ると、相手も怒りの感情を持ちますよね。
これって何とかなりません?」
蟻田 「ここで『コウモリ』と『蛾』の違いが生きてくるでござる」
「うまくいくコツは、蛾のようにシンプルである事」
「つまり、『期待を裏切られた!』という最初の感情を、
シンプル出せば良いのでござる」
齊藤 「と、言いますと?」
蟻田 「『蟻田さんが僕のお金を抜き取るなんて、とってもガッカリしました』
のような失望感を、相手に伝えるのでござる」
齊藤 「確かに、怒られるよりも失望感を伝えられる方が、心に刺さりそうですね」
蟻田 「他にも、『君ならできると思ったのに残念だ』とか、『とっても心配していた
のに・・・』なんかも、期待を裏切られた言葉としては有効かもしれぬな」
齊藤 「ちょっと勉強になりました!ありがとうございます」
「って、また人の財布を盗んでるじゃないですか!!」 (怒)
蟻田 「授業料じゃ! お主も言ったそばから怒るでない!!」 (怒)
- どっちもどっちという事で、次回に続く -
【 作成者 】
志縁塾 講師 齊藤 正明 (会議コンサルタント)
大学卒業後、水産分野の研究開発に従事。
その研究所は、所長の無理な指示で2割くらいの
社員が会社を休む環境であった。
齊藤自身も、マグロの鮮度保持剤を開発している時、
所長から、「お前は一度、マグロのすべてを知ってこい」
と言われ、マグロの遠洋漁業に出され、その後、
うつ状態で休職。
個人の能力が発揮できるよう、対等な話し合いの場を
作るため会議術(ファシリテーション)を学び、
独自の方法を開発。
現在、会議コンサルタントして活躍。
趣味の昆虫採集と、コミュニケーション術を併せた
コラム、東京京橋昆虫館物語を、ここに連載中。
ファシリテーター齊藤正明の公式サイトは、
ここから見られます。


