第7回 クロシジミが教えてくれる、『共に勝つ』とは?
【 この物語の概要 】
昆虫は動物の75%を占めている、地球上でもっとも繁栄している生き物です。
昆虫はどのようにして、それだけの繁栄をしたのでしょう?
昆虫繁栄の仕組みを、『人間の生き方にどう活かすか?』を、
おもしろ楽しく紹介しています。
この物語は、“会議のコンサルティング”を仕事にしている齊藤が、
ある日、ふらりと立ち寄った昆虫館でのお話です。
昆虫館の館長は、蟻田さんという巨大なサムライアリです。
【 本編はここからです 】
蟻田 「さて今日は、クロシジミという蝶を紹介するでござる」
齊藤 「お、パタパタ飛んでますね」
「でもやっぱり、小さいですね、シジミチョウは」
蟻田 「羽を広げても3cm程度でござろう」
※インターネットで、『クロシジミ』と入れて検索をしてください
齊藤 「子供の頃から少し気になっていたのですが、
シジミチョウの、シジミって何ですか?」
蟻田 「羽の形がシジミ貝に似ているからでござる」
齊藤 「ああ、思いっきりそのままなんですね」
蟻田 「それはさておき、この蝶の生き方は
なかなかおもしろいでござるぞ」
齊藤 「どんな風にですか?」
蟻田 「クロシジミは、幼虫の時、アリの巣で育つのでござる」
齊藤 「へぇ!アリが蝶を育てるんですか?」
「アリって普通、めちゃくちゃケンカっ早いですよね」
「昔、アリを飼っていた時、巣箱にカマキリを放り込んだ事があります」
「凶暴なカマキリと言えども、なすすべなくアリに負けましたから」
蟻田 「お主もなかなかワルよの・・・」
齊藤 「小学生の頃ですから・・・」
「でも、どうしてアリが蝶の幼虫を育てるんですか?」
蟻田 「いわゆる物々交換でござる」
「幼虫は、アリが大好きな蜜を出す代わり、アリに育ててもらうのでござる」
齊藤 「アリが用心棒というのは、この上なく心強いですね」
蟻田 「このように、お互いが得をする関係を『共生』と言う」
「その一方で、両方損をする関係もあるでござる」
齊藤 「そんなのあるんですか?」
蟻田 「“癌”なんかは、その典型でござろう」
「“癌”は、細胞の一部が異常に増えてしまう病気じゃ」
「それによって、臓器が動かなくなり、癌の住みかである
人間が死んでしまうのでござる」
齊藤 「人が死んでしまうと、癌細胞も一緒に死ななくては
いけないのに変ですね・・・」
蟻田 「だから、両者とも損なのでござる」
「『勝つ』という言葉を聞くと、『どっちかが勝って、どちらかが負ける』
という印象がないかの?」
「でも自然の中では、『両方勝つ場合』も、『両方負ける場合』も、
今の例のようにたくさんあるでござる」
齊藤 「思えば日本の商売の原点も、『両方勝つ』という考え方があります」
「それは、近江商人の『三方良し』の家訓です」
「商売とは、『買い手・売り手・世の中』の
三者が良くなる必要があるという教えです」
蟻田 「ホウ、それは拙者らの世界で言う、共生でござるな」
齊藤 「やっぱり、共に支え合う事って大事なんですね!」
「共生関係って、実は僕にも経験があるんですよ」
蟻田 「ホウ」
齊藤 「大学の頃、ひとり暮らしをしてたんですね」
「で、近所に住んでた、料理が上手な同級生が料理を作るんです」
「一方、僕はプレイステーションのソフトを買って、
そいつの家で朝までゲームをやるんです」
「料理の作れない僕は、食べ物にありつけるし、僕の友達も朝まで
新しいゲームができるという、すばらしい共生関係だったんですよ!」
「特に、『天誅』というゲームや、「デコトラ伝説』
というゲームにははまりましたね!」
「気づくと、毎朝6時に流れる町内放送が聞こえてきましたから」
「そのおかげで、今でも僕はカップラーメンしか作れませんし、
ゲームのやり過ぎで、だいぶ成績落としましたけど」
蟻田 「それは両方損してござらぬか・・・?」
- 次回に続く -
【 作成者 】
志縁塾 講師 齊藤 正明 (会議コンサルタント)
大学卒業後、水産分野の研究開発に従事。
その研究所は、所長の無理な指示で2割くらいの
社員が会社を休む環境であった。
齊藤自身も、マグロの鮮度保持剤を開発している時、
所長から、「お前は一度、マグロのすべてを知ってこい」
と言われ、マグロの遠洋漁業に出され、その後、
うつ状態で休職。
個人の能力が発揮できるよう、対等な話し合いの場を
作るため会議術(ファシリテーション)を学び、
独自の方法を開発。
現在、会議コンサルタントして活躍。
趣味の昆虫採集と、コミュニケーション術を併せた
コラム、東京京橋昆虫館物語を、ここに連載中。
ファシリテーター齊藤正明の公式サイトは、
ここから見られます。
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