第6回 ミミズが教えてくれる、『色々な人を受け入れられる考え方』【 後編 】
【 この物語の概要 】
昆虫は動物の75%を占めている、地球上でもっとも繁栄している生き物です。
昆虫はどのようにして、それだけの繁栄をしたのでしょう?
昆虫繁栄の仕組みを、『人間の生き方にどう活かすか?』を、
おもしろ楽しく紹介しています。
この物語は、“会議のコンサルティング”を仕事にしている齊藤が、
ある日、ふらりと立ち寄った昆虫館でのお話です。
昆虫館の館長は、蟻田さんという巨大なサムライアリです。
【 本編はここからです 】
蟻田 「さて、雨上がりの次の日、なぜミミズがひからびているかの理由だったな」
「大雨が降ると、実はミミズは土の中で溺れているのでござる」
齊藤 「土の中で溺れる?」
蟻田 「ミミズは皮膚で呼吸をしておる」
「それゆえ、雨が土にしみこむと息ができぬのじゃ」
齊藤 「息をするために、地上に出てくるんですね」
蟻田 「さよう。 でもその後、土が乾くよりも、先に自分が乾いてしまうのでござる」
齊藤 「下等生物って、めちゃめちゃ不幸ですね・・・」 (-_-;)
蟻田 「何を言か!ミミズは人間なんかより、はるかに高等な生物じゃ!!」
「まず、ミミズに手足が無いのは、進化したからでござる」
齊藤 「は?手足がないのが進化スか?」
蟻田 「さよう。 ミミズの先祖は、手足があるゴカイのような
生き物じゃったと、考えられているでござる」
「それが土で住むようになり、手足も必要なくなったのじゃ」
「手足など、無くて済むなら無い方がいいのじゃ。その方が余計な
ケガも病気もしないで済むし、エネルギー効率もいいからの」
齊藤 「それでも、せっかくの手足がなくなるのは進化と呼べるんでしょうか?」
蟻田 「お主は本当に頭の固い奴じゃ。 少しはミミズの柔らかさを見習うがよい」
「では、ちょいとわかりやすく、フェラーリで考えてみよう」
「フェラーリは、早く走るために進化した車でござる」
「最高時速は、300Kmを超える化け物じゃ」
「ただ、300Kmを出せる代わり、定員は2人でござる」
「荷物もあまり積めぬ」
「燃費も悪い」
「値段は高い」
齊藤 「そりゃ、しょうがないですよ。 速く走るためには・・・」
蟻田 「それじゃ、それ!」
「結局、何かに特化した能力を持つためには、
他の何かを捨てないといかんのじゃ」
「普通車のように5人乗れて、トランクがあって、燃費もいいのに、
時速300Km出せる車なんぞ、できぬのでござる」
齊藤 「なるほどですね。 じゃあ、ミミズも割に頑張っているんですね」
蟻田 「・・・お主はまだわかってらん。 ミミズは超進化した
生物と言ったでござろう」
齊藤 「はぁ・・・」
蟻田 「お主は、頭がいい動物が優れた動物だと偏見を持っておる」
「しかし、ミミズは人類よりも100倍の歴史を持っておる生物じゃ」
「下の図を見てみよ!」

齊藤 「おお! ミミズの方が圧倒的に長く生きているんですね」
蟻田 「さよう。 人間なんぞ、つい最近生まれたのに、
もう環境破壊やらで絶滅の危機じゃ」
「そういう視点を持てば、ミミズはシンプルな形に進化した生物でござろう」
「『人間が優れた生き物である』という考えは、完全に幻想でござる」
「人間は、二足歩行をしたせいで、胃下垂にも腰痛にもなりやすくなった」
「心臓も複雑な形になったおかげで、心臓は故障しやすくなった」
「文明を持ったおかげで体は弱くなり、素手で戦えば肉食の
ほ乳類にはまず勝てない」
「寒さに弱く、ちょっと腐った食べ物でも腹をこわす」
齊藤 「人間も結構欠陥だらけなんですね・・・」
蟻田 「さよう。 じゃから、“劣った生き物”と“優れた生物”
などおらんのでござる」
齊藤 「どれも優れた生物であると同時に、どれも劣った生き物なんですね」
蟻田 「これは、人間同士の関係でも言えるのではござらんか?」
「自分が嫌いだったり、苦手だったりする人は、案外自分の偏見だったりする」
齊藤 「そういう事って、会議でもありますね」
「“アイデアマンの人”って、“分析型の人”から見ると、
評価が低い場合がありますよ」
「『アイツは何も考えずに発言をする困ったやつだ』みたいな
言われ方をされてますから」
「でも、アイデアを出す人って、場を盛り上げられるし、
発想のタネになるから大事なんですよね」
蟻田 「一方で“分析型の人”は、他人の批判が多い傾向がありそうじゃから、
会議を盛り上げられないという弱点があるでござるな」
齊藤 「でも、分析型の人は、合理的な判断をするために必要な人材ですけどね」
蟻田 「じゃろ? 結局、人も“優れている”と“劣っている”と、
分ける事はできぬのじゃ」
齊藤 「ついつい人って相手の短所を見がちですが、
長所も同時に見ないといけませんね」
蟻田 「む! 大変な事がわかってしまったでござる!」
齊藤 「な、なんですか?」
蟻田 「お主には長所がない」
齊藤 「あー、そーですか・・・」 (-_-;)
- 次回に続く -
| 第6回 ミミズが教えてくれる、『色々な人を受け入れられる考え方』【 後編 】 | |
| 第5回 ミミズが教えてくれる、『色々な人を受け入れられる考え方』 【 前編 】 | |
| 第4回 ふんころがしから学ぶ、ニーズを読む大切さ | |
| 第3回 ふんころがしが好きなふんはどれ? | |
| 第2回 昆虫から学ぶ、失敗の上手な受けとめ方 | |
| 第1回 アリが作る巨大会社とは? |


