第36回 ニュートンのリンゴから学ぶ『アドバイスの伝え方』とは?
【 この物語の概要 】
昆虫は動物の75%を占めている、地球上でもっとも繁栄している生き物です。
昆虫はどのようにして、それだけの繁栄をしたのでしょう?
昆虫繁栄の仕組みを、『人間の生き方にどう活かすか?』を、
おもしろ楽しく紹介しています。
この物語は、“会議のコンサルティング”を仕事にしている齊藤が、
ある日、ふらりと立ち寄った昆虫館でのお話です。
昆虫館の館長は、蟻田さんという巨大なサムライアリです。
【 本編はここからです 】
齊藤 「こんにちは~」
「うわっ、昆虫館に森ができてる!」
「蟻田さぁ~ん! どこっすかぁ~!」
蟻田 「何でござる?」
「お主は、人が忙しい時ばかりを狙ってくるのぉ~」
齊藤 「何してるんですか?」
蟻田 「見ればわかるでござろう」
「今、森を室内に再現しておるのじゃ」
齊藤 「この後、どうせまた、カマドウマとかゲジゲジとか、
不人気な昆虫を入れるんでしょう?」
「やっぱり、来場者を増やすには、もっときれいでかわいい虫を
入れないとダメですよ」
蟻田 「・・・」
齊藤 「それと清潔感ですね。」
「虫と聞くと、ただでさえ暗くてジメジメしたイメージがありますからね」
蟻田 「・・・」
齊藤 「そう! 虫のサーカスやったらいいじゃないですか!」
「虫なのに、ちゃんと言う事を聞いて芸をしたらもっと人気が出ますよ!」
蟻田 「やかましい! こっちにはこっちの考えがあるのじゃ!」 ヽ(`Д´)ノ
齊藤 「えー、せっかく、いいアイデアを出したのに・・・」
「ところで、今回の目玉は何ですか? 目玉は?」
蟻田 「“ ニュートンのリンゴ ”でござる」
齊藤 「え、あの万有引力を思いついたリンゴっすか?」 (; ̄д ̄)ハァ?
蟻田 「何じゃ!その疑りの目は?!」
「ニュートンの家にあったリンゴの木を、接ぎ木してもらったのじゃ」
ニュートンのリンゴ (小石川植物園様にて撮影)

齊藤 「え、本物なんですか?」
蟻田 「本物でござる」
齊藤 「あまりにもすごい話なので、思わず疑ってしまいました」
「なんたって、伝説の天才物理学者ですもんね~」
蟻田 「ニュートンはその一方、興味のない事には、
とことん興味を示さなかったと、言われておる」
「たとえば、ニュートンは一度だけ国会議員になった事があるのじゃ」
齊藤 「有名人にありがちなコースですね」
蟻田 「議員になったはいいが、やる気がない」
「ニュートンの国会での正式な発言は、一度だけと言われておる」
齊藤 「一度だけですか。 一体、何を言ったんですか?」
蟻田 「 『議長、寒いので窓を閉めてください』 」
齊藤 「マジッすか?」 ( ゚д゚)ポカーン
蟻田 「そう、言われておるの」
「ところで、“ニュートンの運動法則”は覚えておるか?」
齊藤 「忘れました」
蟻田 「おお、さすが! 物理の単位を落としたのは伊達ではないの!」
齊藤 「お褒めにあずかり光栄です」
蟻田 「ニュートンの運動法則は3つある」
「その第3法則は、“作用反作用の法則”でござる」
齊藤 「“壁を押すと、同じ力で押し返される”というやつでしたっけ?」
蟻田 「さよう」
「拙者は、作用反作用の法則が、“物体”だけではなく、
“人の心”にも働きかけると思っておる」
齊藤 「それは初耳です」
蟻田 「誰かに自分の意見を伝える時、『~しなさい!』と、
命令口調で言うと、相手は反発をする可能性が高い」
齊藤 「定番ものですと、『宿題やりなさい!』とかですよね」
「確かに、反発したくなりますね」
蟻田 「上司が部下に、命令調の指示ばかりを出すと、部下は反発心を持つので、
言われた通りの事しかしなくなる」
齊藤 「部下としては、なぜ、命令された作業をするのか、
意味がわからない事が多いのでしょうね」
蟻田 「なので、命令ばかりではなく、『自分は○○をすると良いと思うのだけど、
君はどう思う?』と、相手の意向も聞く事も必要じゃろう」
齊藤 「意向を聞いてくれると、部下や子どもの立場としてもうれしいですね」
「ただ、形だけをマネすると、相手には“尋問”に感じるんですよね」
「『欠点を見つけたら、叩いてやろう』という態度が見える時は辛いです」
蟻田 「そうじゃのう。 『相手を直してやろう』という気持ちも大事じゃが、
それ以上に、『相手の気持ちを知りたい』という方が大事かもしれぬの」
齊藤 「そういう聞き方をしてもらえると、相手の心に“反作用”が
働かないような気がしますね」
蟻田 「お主は今日、拙者に昆虫館のアドバイスをしてくれたの」
「その時は、どんな言い方だったか覚えておるか?」
齊藤 「あっ、たしか、『あーしろ、こーしろ』的な言い方だったかも・・・」
蟻田 「相手には相手の事情がある」
「いきなり『あーしろ、こーしろ』と言われると、
自分の心に土足で上がられた気分になるでござる」
「相手の心に反発を生まない言い方は、『私は、○○と思う』と、
主語を『私は』で始める言葉じゃ」
「逆に、相手の心に反発を生む言い方は、『あなたは、○○しなさい』と、
主語を『あなたは』で始めた言葉でござる」
齊藤 「なるほどですね・・・」
蟻田 「ただし、状況に応じて使い分けがいる」
「時には、『あなたは、○○しなさい』と言う事も必要でござる」
齊藤 「今までは、そんな事考えた事もありませんでしたが、
知れば、使い分けができそうですね」
蟻田 「うむ」
「おお、もうこんな時間でござるか!」
「ちょうどいい、お主はこの芝を夕方までに1,000本植るのじゃ」
齊藤 「早速、思いっきりな命令じゃないですか」 ( ゚д゚)
【 作成者 】
志縁塾 講師 齊藤 正明 (会議コンサルタント)
大学卒業後、水産分野の研究開発に従事。
その研究所は、所長の無理な指示で2割くらいの
社員が会社を休む環境であった。
齊藤自身も、マグロの鮮度保持剤を開発している時、
所長から、「お前は一度、マグロのすべてを知ってこい」
と言われ、マグロの遠洋漁業に出され、その後、
うつ状態で休職。
個人の能力が発揮できるよう、対等な話し合いの場を
作るため会議術(ファシリテーション)を学び、
独自の方法を開発。
現在、会議コンサルタントして活躍。
趣味の昆虫採集と、コミュニケーション術を併せた
コラム、東京京橋昆虫館物語を、ここに連載中。
ファシリテーター齊藤正明の公式サイトは、
ここから見られます。
【 近日行うセミナー 】
志縁塾で、近日行うセミナーについて、ご紹介いたします。
よろしければいらしてください。
①7月 9日(水) 19:00~21:00
会議術セミナー
②7月23日(水) 19:00~21:00
昆虫などから学ぶ、人生をよりラクに生きるコツ
③8月24日(日) 10:30~14:30
【NPO企画】齊藤正明プロデュース!
大谷由里子と昆虫にふれよう!【 夏の昆虫採集 】


