第35回 ゴキブリから学ぶ『レッテルの罠』とは?
【 この物語の概要 】
昆虫は動物の75%を占めている、地球上でもっとも繁栄している生き物です。
昆虫はどのようにして、それだけの繁栄をしたのでしょう?
昆虫繁栄の仕組みを、『人間の生き方にどう活かすか?』を、
おもしろ楽しく紹介しています。
この物語は、“会議のコンサルティング”を仕事にしている齊藤が、
ある日、ふらりと立ち寄った昆虫館でのお話です。
昆虫館の館長は、蟻田さんという巨大なサムライアリです。
【 本編はここからです 】
齊藤 「こんにちは、今日は雨ですね!」
「でも、雨っていいですよね。 何か自分の心まで洗い流してくれるようで」
蟻田 「な、なんじゃ、今日のお主は? 気味が悪いでござる」
齊藤 「いやだな~、でも、そんな疑り深い蟻田さんはステキですね。ウフフ」
「やっぱ、これからは“前向き思考”の時代ですよ」
「ところで、今日は何か新作の展示はないんですか?」
蟻田 「今日は無いでござる」
「拙者、餌やりの時間でござるので、用がなければ帰れ」
齊藤 「相変わらず冷たいですね~。 せっかく前向きに生まれ変わったんですから、
少し褒めてくださいよ~・・・」
「おっ、その箱には何が入っているんですか?

蟻田 「こいつじゃ」

齊藤 「ゴ、ゴキブリの赤ちゃんですか?」
蟻田 「うむ、まだ4mmでござる」
齊藤 「か、かわいい感じですね・・・」 (-_-;)
蟻田 「早速、前向きな言葉が出なくなってきておるの」
齊藤 「く、黒を基調に、白いラインが入っている所がオシャレな感じですね・・・」
蟻田 「かなり無理矢理じゃのう」
「まぁ、人間が嫌がる事を知って、拙者はゴキブリを飼っておる」
齊藤 「嫌がらせですね。 さすがです」
蟻田 「違うわ!」 (#`Д´)
「ゴキブリは、日本人から世界最強に恐れられておる」
「にも関わらず、本当の所、ゴキブリは人間に対して無害じゃ」
齊藤 「え、病気をバラまいたりしません?」
蟻田 「バラまかない」
「確かに、ゴキブリには色々な病原菌となりうる菌をくっつけておる」
「しかし、それは他の虫とて同じ事」
「カブトムシでもクワガタでも、病気となりうる菌はくっつけておる」
「菌の保有数でいえば、ゴキブリもクワガタも大して変わらんじゃろう」
「人間には免疫があるので、簡単に病気にならんのじゃ」
「むしろ、菌を殺せば殺す程、人間の免疫は低下して、
病気になりやすいという説もある」
齊藤 「やっぱり見た目が恐いんでしょうね」
蟻田 「刺すわけでもないのに、何を恐れているじゃ?」
齊藤 「明確な理由はないですけど、『恐い』と、感じてしまいます」
蟻田 「みなゴキブリを恐れるが、その恐れる理由は極めてあいまいじゃろう」
「実際、ゴキブリを世界から排除する方が、人間にとって
悪影響が出るでござろう」
「ゴキブリは『ゴミを分解する』という大事な役目がある」
齊藤 「ゴキブリがいないと、ゴミを分解できないという事ですか?」
蟻田 「実際はありえぬが、極論を言えばそうじゃ」
「どんなものでも、“陰”と“陽”がある」
「ゴキブリであれば、『恐い』という、“陰”の面がある」
「その一方で、『地球の生態系を守る』大事な“陽”としての役目もある」
「『ゴキブリは恐いもの』と、レッテルを貼ってしまうと、
ゴキブリの“陽”の部分が見えなくなる」
「でも確かに、レッテルは便利でござる」
「見たものを一瞬で判断できるからの」
「しかし、レッテルを貼った時点で、同時に見えなくなるものもあるでござる」
齊藤 「ゴキブリで言えば、良い面ですね?」
蟻田 「さよう」
「ゴキブリに『悪』のレッテルを貼り、殺虫剤で殺す」
「結果、ゴキブリは殺虫剤に耐性ができて、より丈夫に進化する」
「一方、人間は殺虫剤の成分で、将来的に問題を引き起こす危険性もある」
齊藤 「そっちの問題も恐いですね・・・」
蟻田 「もう一度言うが、どんなものにも、“陰”と“陽”がある」
「“生”と“死”、 “光”と“影”、 “長所”と“短所”などな」
齊藤 「大抵の場合、どちらかしか見ない事が多いような気がします」
「その原因は、自分たちが貼ってしまうレッテルなんですね」
蟻田 「お主が最初に言っていた、“前向き思考”も、良い事ばかりではない」
齊藤 「“前向き”イコール“ノーテンキ”な場合もありますよね・・・」
蟻田 「会社など、集団活動をする時、前向き過ぎな人がいると、
周りがそのテンションについて行けない場合がある」
齊藤 「ああ、それもわかるような・・・」
「逆に、“後ろ向きな思考”は、悪い事ばかりじゃないですよね」
蟻田 「うむ。 危険予測などは、ある“意味後ろ向き”でないと難しかろう」
「木を見てみよ」
「地面に埋まっている根っこの部分と、地上に出ている幹があるから、
生きておるじゃろう?」
「それと同じで、ひとつのものに対して、“陰”と“陽”の部分を
両方観る必要があるのではないかの?」
齊藤 「なるほどですね。ひとつ例に出せば、“前向き過ぎず”、
“後ろ向き過ぎず”に物事を捉える事が大事そうですね」
「でも、やっぱりゴキブリは好きなれません」
蟻田 「好きになる必要はない」
「『自分は、色々なものに、レッテルを貼り過ぎているかも』と、
認識できればそれで良いと思う」
「まぁ~、拙者は、優しすぎる所が玉にキズじゃがのぅ」
齊藤 「え、誰の話ですか?」 (*´д`)??
【 作成者 】
志縁塾 講師 齊藤 正明 (会議コンサルタント)
大学卒業後、水産分野の研究開発に従事。
その研究所は、所長の無理な指示で2割くらいの
社員が会社を休む環境であった。
齊藤自身も、マグロの鮮度保持剤を開発している時、
所長から、「お前は一度、マグロのすべてを知ってこい」
と言われ、マグロの遠洋漁業に出され、その後、
うつ状態で休職。
個人の能力が発揮できるよう、対等な話し合いの場を
作るため会議術(ファシリテーション)を学び、
独自の方法を開発。
現在、会議コンサルタントして活躍。
趣味の昆虫採集と、コミュニケーション術を併せた
コラム、東京京橋昆虫館物語を、ここに連載中。
ファシリテーター齊藤正明の公式サイトは、
ここから見られます。
【 近日行うセミナー 】
志縁塾で、近日行うセミナーについて、ご紹介いたします。
よろしければいらしてください。
①7月 9日(水) 19:00~21:00
会議術セミナー
②7月23日(水) 19:00~21:00
昆虫などから学ぶ、人生をよりラクに生きるコツ
③8月24日(日) 10:30~14:30
【NPO企画】齊藤正明プロデュース!
大谷由里子と昆虫にふれよう!【 夏の昆虫採集 】


