第7回 「毒をもって制している、のか?全身治療:抗癌剤」

私の場合は、進行性の早い癌であったので(若いから)手術後まもなくして抗癌剤の治療に入りました。
放射線治療は大概乳房からがんだけを取り出した温存手術方法をとった人が
残っている乳房に放射線を当てる形になります。
私はすべて乳房の中身を取り出している同時再建手術でしたので、放射線治療の必要性はなかったのです。

抗癌剤治療や放射線治療をなぜやるかというと、
がんが発生するとその場所だけではなく他にも画像や数値には浮かんでこなくても
全身に転移している可能性が高いのですね。
なので、その微小のがんも叩くということで、抗癌剤治療を行ったり、
放射線はその取った以外の乳房内に他に波及しているかもしれない、ということで、治療するわけなのです。
乳房だけに意識は集中しがちですが、実際にがんは全身病なのですね。
ということは、乳房の手術も「全身治療のための手術」ということになるわけです。

もちろん、この治療はすべての人に当てはまるわけではありません。
乳がんにかかったものが誰もが抗癌剤をやるのか?といったらそれは違います。
あくまでもそのひとのがんの程度や年齢によって治療が決められてくる関係上、
ひとくくりにできないのが実状です。
知っている方で抗癌剤をやらなくてホルモン剤だけの投与だけで済んだ
60歳代の御婦人は本当に喜んでおりました。
やはり抗癌剤はいやなのですよ、副作用の怖さを傍で見て知っているからでしょう。


私は初回乳がんでタキソール(製剤名パクリタキセル)を9回点滴投与しています。
そして転移してからも、半年間2週連続投与1週休みというサイクルで投与し続けました。
ともかく聞きしに勝る副作用の強さには参りました。
それでも、このタキソールは他の抗癌剤より副作用は軽いほうだ、という事実があるのです。
抗癌剤の副作用は100%あったとしても個人差がありすぎますのでなんともいえませんが、
私の場合・・、
末端神経障害・高熱(初回のみ)・全身脱毛(アタマからつま先まで)・口内炎・胃潰瘍・下痢・
味覚障害・無排卵・無月経などがありました。
この副作用以外にスタンダードな副作用が、「白血球数値の低下」なのですが、
この私はなぜか白血球は最初から最後まで下がらなかったようです。
ともかく、点滴の回数を重ねていくことに副作用の毒性は溜まっていく一方ですので、
カラダを起き上がらせるのがやっとになるし、足はしびれるし、
最後のあたり投与後3日間は食事がまともに取れず、
口にできたのは、「白米・のり・白湯」といった、調味料一切使わない形でなければもうだめでした。
口に入れると「にがくてにがい。」本当に辛かった。

しかし、これ以上のつらさを感じる抗癌剤が他にもありまして、
他の薬剤を投与された乳がん患者さんたちは本当に投与されるたびに嘔吐したり、寝込んだりと
本当に大変な治療を通過して生きている方も多いです。

まさに「毒を持って制する」といった状況であります。
しかし、本当に制しているのか?という疑問もあります。
すべて治療をしても転移をする・・・。
転移=制していない、という表現を採れるのではないか、と私なりに思います。