第5回 「乳がん手術=乳房+“リンパ節切除”?の巻」

乳がんイコール乳房を手術しますが、同時に切除する箇所で他に重要な場所があります。
それは、脇の下にあるリンパ節です。

乳房内で発生したガンは、血液やリンパ液の流れに乗って広がっていきます。
そこで、乳がんになってしまった患者さんは、ごくごく初期の方以外の患者さんは
その後の転移を防ぐためにも、リンパ節に転移していようがいまいが、
脇の下のリンパ節をすべて切除してしまうやり方が一般的であります。
(正式名称は腋窩リンパ節の郭清です。)

このリンパ節を切除してしまうと、どのようなことが起こるか。

まずわきの下の感覚はうっすらしかありません。
リンパの流れが滞り、老廃物がたまりやすくなり、違和感と疲れを覚えます。
ひどいと、リンパ浮腫を起こし、リンパ節を切除した側の腕が滞留のため腫れ上がり二倍の太さになってしまうことになります。

リンパ浮腫に関しての詳細はこちらに書いております。
http://www.ne.jp/asahi/lymph/mlaj/rinpafusyu.htm


当初、私もこのリンパ節の資料を読んでいたので、不安になり担当医に聞いたのですが、
昔とは手術方法が変わり以前みたいに腫れ上がる心配はないといわれました。
手術後しばらくは、重いものはもてないし、すぐ疲れるし、むくみはなくとも違和感がかなりありました。
それも2年経てば別になんともない状況ですが、油断は禁物です。
なんとリンパ浮腫は忘れた頃に10年経過したあとやってくるとも言われてます。
あとわかるのが、鍼灸などを行うと、左右のバランスが普通の人よりも崩れているのが顕著に見られます。
鍼の刺した痛みが左側が鋭く感じ、右側があまり感じなかったりとしております。

しかし、ここ最近は、「センチネルリンパ生検」という手術が普及しており、
手術の際、わきの下の細胞を検査し、そこでリンパ節に転移しているかどうかをすぐ調べ、
転移していなければリンパ節郭清は行わない、という方法が全国の医療機関に普及しつつあります。
これはとても患者さんの負担にならない画期的な方法です。
とはいえ、この手術方法を実施している施設が限られており、現在私が治療を行っている病院では実施しておりません。

「センチネルリンパ生検」に関して詳細な内容と実施している病院も掲載されております。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/sa4a1801.htm

人間のリンパ液リンパ節というのは外敵から身体を守る重要な器官であります。
やはり郭清することによって傷などからの感染に対しての抵抗力も落ちます。
リンパ液は全身に張り巡らせられたリンパ管の中を流れ、老廃物を運びリンパ節で吸収します。
で、老廃物はリンパ節で濾過され取り除かれるのです。リンパ節は首・わきの下・足の付け根にあります。
現在、美容・痩身における毒素排泄(デドックス)で注目されているのはリンパマッサージがありますが、
この原理に基づいて方法が確立しているのですね。

私の友人の母親は10年前に乳がんではなく卵巣がんを患い、卵巣子宮全摘出と足の付け根のリンパ節も左側のみ切除しておりますが、その後リンパ浮腫で足が2倍の太さになりました。
ありとあらゆることを試したのですが、結局元どおりにならず、長いスカートやズボンしか履けないと
おっしゃってました。

また、術後行うのが術側の腕のリハビリです。リンパ節の郭清を行うと必ず行わねばいけません。
術後麻酔から目を覚ましたあと、担当医が朦朧とする私に「サイトウさん左の手で僕の手を握り返してくれ」
と問いかけ握り返す手の力が確認できたら「よし。」でした。
まず本当に腕が上がりません。誰もがそうです。ましてや私は後背筋が移植されているせいか、
まるで岩盤のような鋼鉄のような背中を翌日は持っていて、1人では起き上がれなかったです。
手術日翌朝回診に来た医師、看護士共に「すぐ動かす訓練を行うように。それをやらなければ腕が一生上がらないよ。」と半ば脅し?のように言われ、握る訓練のためのテニスボールとイラストが入りのリハビリメニューを渡されました。私の手術したところはリハビリテーションがある大病院ではなく個人クリニックですから地道に1人でやるしかなかったです。気がつけば日々都度メニューを淡々とこなしていき、
私は若いせいもありますが回復は早く、術後1ヶ月でほぼバンザイができるまで行きました。

すでに私は術後2年も経過したせいもありますが、腕を動かすことはあまりやっておりません。
しかし今回この記事を書くにあたって、色々資料を探し読みながらやはり私も気をつけなくてはいけないな、と感じました。手術をすると、日常生活における注意やその後のケアは重要ですね。